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相続放棄するか決める
3つの選び方と、急ぐこと・してはいけないこと

相続放棄は、家庭裁判所に申述する手続きで、受理されると預金などの財産も借金も受け継ぎません。期限・あなたの立場・借金の見込みを選ぶと、残りの日数と、急ぐこと、決める前にしてはいけないこと、次に相続人になる人を整理します。どれにするかの最後の判断は、家庭裁判所の手続案内や弁護士・司法書士に相談してください。

2026年10月に、裁判所・法務省・国税庁の公式ページと民法の条文で確かめました

要点

  • 相続を知った日から3か月のうちに、相続する・相続放棄・限定承認のどれかに決める
  • 決める前に亡くなった人の財産を使ったり処分したりすると、放棄できなくなることがある
  • 子が全員放棄すると、父母、次に兄弟姉妹が相続人になる。借金が理由なら、早めに伝える

先の順位の人が放棄して相続人になったときは、それを知った日です。

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目次(6)
  1. 3つの選び方
  2. 決める前にしてはいけないこと
  3. 次の順位の人へ
  4. 次の順位の人への伝え方(見本)
  5. 財産ごとの扱い
  6. よくある質問

3つの選び方

選び方どうなるか手続き
相続する(単純承認)財産も借金も、すべて受け継ぐ家庭裁判所の手続きはない。3か月のうちに放棄も限定承認もしなければ、こうなる
相続放棄初めから相続人でなかったことになり、財産も借金も受け継がない1人ずつ、亡くなった人の最後の住所地の家庭裁判所に申述。1人につき収入印紙800円と郵便切手
限定承認受け継いだ財産の範囲でだけ借金を払う。財産が残るかもしれないときに相続人全員でそろって申述する。受理後に官報公告などの清算が要り、所得税がかかることもある

3か月のうちに財産を調べても決められないときは、家庭裁判所に申し立てると、期間を延ばしてもらえることがあります(裁判所)。相続人1人につき収入印紙800円と郵便切手で、原則3か月のうちに申し立てます。財産と借金の調べ方は財産と借金の探し方へ。

決める前にしてはいけないこと

相続財産の全部か一部を「処分」すると、相続することを認めた(単純承認)とみなされ、相続放棄も限定承認もできなくなります(民法921条)。放棄や限定承認をしたあとでも、財産を隠したり、勝手に使ったりすると同じです。

法律で「処分」に当たらないとされているのは、財産の価値を守るための行為(保存行為)と、短い期間の賃貸だけです。亡くなった人の預金で葬儀の費用を払うことが処分に当たるかは、法律に定めがなく、判断が分かれます。放棄を考えているときは、払う前に弁護士などに相談してください。

次の順位の人へ

子が全員相続放棄をすると、亡くなった人の父母(いなければ祖父母)が、それもいなければ兄弟姉妹(先に亡くなっていれば、おい・めい)が、順に相続人になります。順位のちがう人が同時に放棄することはできず、先の順位の人全員の放棄が受理されてから、次の順位の人が申述します(仙台家庭裁判所)。次の順位の人の3か月は、自分が相続人になったことを知った日から数えます。

次の順位の人に知らせる手続きは、法律には定められていません。借金が理由の放棄なら、受理されたら早めに伝えます。配偶者は順位の外で、いつも相続人です。配偶者だけを相続人にするには、子・父母・兄弟姉妹のすべての放棄が受理される必要があります。

次の順位の人への伝え方(見本)

次の順位の人に伝えるときの見本(手紙・電話・LINEで)

  1. 「○○(亡くなった方)の相続のことで、お知らせです。○○には、借金が□□円ほどあるとみられます。」
  2. 「私たち子は、○月○日に家庭裁判所で相続放棄をし、受理されました。そのため、△△さんが○○の相続人になります。」
  3. 「相続放棄をするかどうかは、△△さんが相続人になったことを知った日から3か月のうちに決めることになっています。放棄するなら、○○の最後の住所地の家庭裁判所に申し出ます。」
  4. 「受理通知書の写しや、わかっている借金の明細が要るときは、お送りします。」

手元に用意:わかっている借金の相手と額、家庭裁判所の受理通知書の写し

わかっている借金の相手と額、受理された日を書き添えると、相手が調べやすくなります。くわしい手続きは相続放棄の手続きと相続放棄申述書の書き方へ。

財産ごとの扱い

もの相続放棄をすると
受取人が決まっている生命保険金受取人の財産なので受け取れる。ただし相続税の非課税(500万円×法定相続人の数)は使えない
お墓・仏壇相続とは別に、祖先のまつりをする人が受け継ぐ
保証人になっていた分保証の義務も受け継ぐものの一つ。放棄すれば受け継がない
賃貸の部屋借りる権利と部屋の家財は相続人に受け継がれる。放棄を考えているなら、家財を処分する前に確かめる
使い道のない土地だけ相続したうえで、要らない土地だけを国に引き取ってもらう制度もある(土地を国に引き取ってもらう)
相続人が全員放棄したとき相続財産清算人が清算し、残った財産は国のものになる(相続人がいないとき)

よくある質問

遺産分割で「何もいらない」と言えば、借金も払わなくてよいですか?

いいえ。亡くなった人の借金は、相続が始まると法定相続分に応じて相続人に分かれます。遺産分割の話し合いで「借金は長男が払う」と決めても、債権者には主張できません。借金を受け継がないためには、家庭裁判所での相続放棄(または限定承認)が必要です(裁判所のQ&A)。

相続放棄をしても、生命保険金は受け取れますか?

受取人が決まっている生命保険金は、受取人の財産なので、相続放棄をしても受け取れます。ただし、相続税で「500万円×法定相続人の数」まで非課税になる扱いは、放棄した人には使えません。

お墓や仏壇はどうなりますか?

お墓・仏壇・系譜などは、相続財産とは別に、祖先のまつりをする人が受け継ぎます(民法897条)。相続放棄とは別の扱いです。

放棄したあとで、やっぱり相続したくなったら?

相続放棄も承認も、あとから撤回はできません。だまされたり、おどされたりしてした場合などに限って、家庭裁判所で取り消せることがあります。

次の順位の人に、家庭裁判所から知らせは行きますか?

法律には、次の順位の人に知らせる手続きは定められていません。借金が理由の放棄なら、次の順位の人が3か月の期限に間に合うよう、自分から早めに伝えると安心です。ほかの人の放棄が受理されたかどうかは、家庭裁判所に照会できます(手数料なし)。

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