亡くなったあと
亡くなった人に住宅ローンがあったとき
団体信用生命保険(団信)の手続きと、抵当権の抹消
住宅ローンを借りていた人が亡くなったとき、団体信用生命保険(団信)に入っていれば、保険金でローンの残りが返されます。ただし、家族が手続きをしないと返されず、返されたあとも抵当権の抹消は自分でします。住宅金融支援機構(フラット35)・法務局・国税庁の案内をもとに、流れをまとめました。
2026年10月に公式ページで確認しました確かめ方
要点
- 団信に入っていれば、保険金でローンが完済され、以後の返済はいらない。まず借入先の金融機関に連絡する
- 完済されても抵当権は登記に残る。相続登記をしてから、抵当権の抹消登記をする(不動産1個につき1,000円)
- 団信で消えるローンは、相続税の計算で借金として引けない
家族がすること
- 借入先の金融機関に連絡し、団信に入っていたか確かめる(住宅金融支援機構(フラット35))
- 金融機関から団信弁済届と死亡証明書の用紙を受け取る(住宅金融支援機構(フラット35))
- 団信弁済届と死亡診断書の写しなどを金融機関に出す(3年以内)(住宅金融支援機構(フラット35))
- 完済が決まるまでは、いつもどおり返済を続ける(住宅金融支援機構(フラット35))
- 完済の知らせが来たら、抵当権を外すための書類を受け取る(住宅金融支援機構(フラット35))
- 家の名義を相続人に変える相続登記をする(3年以内)(法務省)
- 管轄の法務局に抵当権の抹消登記を申請する(1個1,000円)(法務局)
- 相続税の申告では、団信で消えるローンを債務に入れない(国税庁)
- 団信がない場合は、相続届を出して返済を引き継ぐ人を決める(住宅金融支援機構(フラット35))
ここでは、住宅金融支援機構(フラット35)の団信の案内をもとにしています。銀行などが独自に用意している団信も流れはおおむね同じですが、書類や期限は借入先の金融機関で確かめてください。
団信のしくみと、夫婦のローン
- フラット35の団信は、加入者が亡くなると保険金が機構に支払われ、以後のローン返済が不要になる生命保険です。(住宅金融支援機構(フラット35))
- 保険金の額は亡くなった時点のローン残高が基準です。保険金が支払われるとローンは全額完済になります。(住宅金融支援機構(フラット35))
- フラット35は借入申込日が2017年10月以降なら新機構団信、2017年9月以前は旧制度で、手続きの案内が別です。(住宅金融支援機構(フラット35))
- 夫婦で連帯債務なら2人で「デュエット」に入れ、どちらかが亡くなれば持分に関係なく以後の返済は不要です。(住宅金融支援機構(フラット35))
- 連帯債務で1人だけ加入している場合、加入していない人が亡くなってもローンは返されません。(住宅金融支援機構(フラット35))
- ペアローンは団信も別々です。亡くなった人の分だけ返済不要になり、もう一方は自分の分を払い続けます。(住宅金融支援機構(フラット35))
必要な書類と、かかる期間
- 団信の種類は金銭消費貸借契約証書などで確認し、分からなければ借入先の金融機関に問い合わせます。(住宅金融支援機構(フラット35))
- 死亡時は「団信弁済届」(原本)と死亡を証明する書類を金融機関に出します。用紙は金融機関から受け取れます。(住宅金融支援機構(フラット35))
- 保障開始から2年を過ぎた死亡なら、役所に出した死亡診断書(または死体検案書)の写しで足ります。(住宅金融支援機構(フラット35))
- 保障開始から2年以内の死亡は、生命保険会社所定の死亡証明書(原本)を医師に書いてもらいます。(住宅金融支援機構(フラット35))
- 書類を出してから完済まで通常1か月ほど。保険会社が家族や主治医に確認する場合は、さらにかかります。(住宅金融支援機構(フラット35))
- 完済が決まるまで返済はこれまでどおり続けます。完済になれば、死亡日以降に払った分は後で戻ります。(住宅金融支援機構(フラット35))
- 支払いの対象でも、3年以内に手続きをしないと保険金の請求権が時効になり、完済されないことがあります。(住宅金融支援機構(フラット35))
完済のあと(抵当権の抹消)
- 完済が決まると、契約書類や抵当権を外すのに必要な書類(完済関係書類)を金融機関から受け取ります。(住宅金融支援機構(フラット35))
- 相続人の代表が受け取るときは、受領の申出書と、相続関係が分かる戸籍謄本などが必要です。(住宅金融支援機構(フラット35))
- ローンを返し終えても、抹消の手続きをしない限り、登記の上では抵当権が残ったままになります。(法務局)
- 抹消には、金融機関から届く登記識別情報(または登記済証)、解除証書などの登記原因証明情報、委任状を使います。(法務局)
- 抹消登記は、不動産の所在地を管轄する法務局(登記所)に、窓口への持参か郵送で申請します。(法務局)
- オンライン申請もでき、個人の所有者が行う場合はマイナンバーカードの電子証明書が必要です。(法務局)
- 抵当権抹消の登録免許税は、不動産(土地または建物)1個につき1,000円。土地1つと建物1つなら2,000円です。(法務局)
- 登記簿の所有者が亡くなっている場合は、抵当権の抹消より先に、相続の登記などをする必要があります。(法務局)
- 不動産を相続したと知った日から3年以内の相続登記が義務です。正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象です。(法務省)
団信が支払われない場合・入っていない場合
- 加入時の告知書で健康状態などを事実と違って伝え、契約が解除された場合は支払われません。(住宅金融支援機構(フラット35))
- 保障開始から1年以内の自殺(例外あり)や、保障開始前・満80歳の誕生月の末日より後の死亡は対象外です。(住宅金融支援機構(フラット35))
- 詐欺目的の加入や、保険金目的で事故を起こしたなど重大な理由で契約が解除された場合も支払われません。(住宅金融支援機構(フラット35))
- 団信がなければ、家を相続した人がローンを引き継ぎます。相続人が複数なら、返済できる1人が引き継ぐよう求められます。(住宅金融支援機構(フラット35))
- 「相続届」に、相続人全員が分かる戸籍謄本と遺産分割協議書(全員の印鑑証明書つき)などを付けて出します。(住宅金融支援機構(フラット35))
- 契約者が亡くなりローンを相続する場合は、新機構団信に途中から加入を申し込めることがあります。(住宅金融支援機構(フラット35))
税金と相続放棄
- 団信で返済が免除される住宅ローンは、相続人が払う必要のない債務なので、相続税の計算で差し引けません。(国税庁)
- 団信で完済されたローンに連帯債務者がいると、免除された部分が一時所得として所得税の対象になる場合があります。(住宅金融支援機構(フラット35))
- 相続放棄をすると、亡くなった人の財産も借金も一切受け継ぎません。家庭裁判所への申述は相続を知ってから3か月以内です。(裁判所)
- 機構のよくある質問では、相続放棄をした家族でも団信の弁済の届出はできるとしています。(住宅金融支援機構のよくある質問)
使えるツール
よくある質問
夫婦でローンを組んでいたら、どうなりますか?
夫婦で連帯債務にして2人とも団信(フラット35の「デュエット」)に入っていれば、どちらかが亡くなると、持分に関係なく以後の返済はいらなくなります。1人だけが団信に入っている場合、入っていない人が亡くなってもローンは返されません。ペアローンは団信も別々なので、亡くなった人の分だけが返されます。
団信の手続きに期限はありますか?
支払いの対象でも、3年以内に手続きをしないと保険金の請求権が時効になり、完済されないことがあります(住宅金融支援機構の案内)。完済が決まるまでは、いつもどおり返済を続け、完済になれば亡くなった日以降に払った分は後で戻ります。
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