亡くなったあと
仕事中・通勤中に亡くなったとき
労災の遺族年金・一時金・葬祭料と、死亡退職金
仕事中や通勤中の事故・病気で亡くなったときは、労災保険から遺族にお金が出ます。遺族年金と重なる部分の調整や、勤務先から受け取る死亡退職金・弔慰金の税金もあります。厚生労働省・国税庁の案内をもとにまとめました。
2026年10月に公式ページで確認しました確かめ方
要点
- 仕事中は「業務災害」、通勤中は「通勤災害」。労災保険から遺族年金(または一時金)・葬祭料・特別支給金が出る
- 請求先は勤務先の所在地の労働基準監督署。会社が証明を拒んでも、労災保険に入っていなくても請求できる
- 時効は、遺族年金・一時金が5年、葬祭料が2年
家族がすること
- 勤務先に連絡し、仕事中か通勤中の事故かを確かめる(確かめよう労働条件(厚生労働省))
- 請求書に事業主の証明をもらう(もらえなくても請求できる)(厚生労働省)
- 死亡診断書・戸籍謄本・生計維持を示す書類をそろえる(厚生労働省)
- 年金を様式第12号(通勤は第16号の8)で労基署に請求する(厚生労働省)
- 年金の対象者がいなければ一時金(第15号・第16号の9)を請求(厚生労働省)
- 葬儀をした人は葬祭料(第16号・第16号の10)を請求する(厚生労働省)
- 交通事故などは第三者行為災害届もあわせて出す(厚生労働省)
- 遺族厚生年金なども受けるときは、請求書に書いて申告する(厚生労働省)
- 期限に注意:葬祭料は2年、年金・一時金は5年で時効(厚生労働省)
- 死亡退職金・弔慰金の相続税の非課税の枠を確かめる(国税庁)
金額や日数は2026年4月1日現在の厚生労働省の案内によります。給付基礎日額など、自分の場合の額は労働基準監督署で確かめてください。
業務災害と通勤災害
- 仕事が原因の死亡は「業務災害」、通勤による死亡は「通勤災害」として、労災保険から遺族に給付があります。(確かめよう労働条件(厚生労働省))
- 業務災害は「遺族補償給付」「葬祭料」、通勤災害は「遺族給付」「葬祭給付」と、同じ給付でも名前が変わります。(厚生労働省)
- 通勤は住まいと職場の往復などを合理的な経路と方法で行う移動です。寄り道で経路を外れると原則その後は通勤になりません。(厚生労働省)
- 会社が用意した専用の送迎での出退勤や、休日の緊急の呼び出しで出勤する途中の事故は、業務災害になります。(厚生労働省)
- 仕事中の私的な行為や故意、個人的な恨みによる暴行が原因の災害は、業務災害と認められません。(厚生労働省)
受け取れるお金
- 遺族への給付は「遺族(補償)等年金」と「遺族(補償)等一時金」の2種類で、ほかに葬祭料と特別支給金があります。(厚生労働省)
- 年金は遺族の数で決まり、1人なら給付基礎日額の153日分(55歳以上の妻などは175日分)、2人201日分です。(厚生労働省)
- 3人なら給付基礎日額の223日分、4人以上なら245日分です。受給権者が2人以上なら等分して受け取ります。(厚生労働省)
- 給付基礎日額は、原則として亡くなる直前3か月の賃金の総額を暦日数で割った、1日あたりの額です。(厚生労働省)
- 遺族特別支給金として、遺族の数にかかわらず一律300万円が支給されます(令和8年4月1日現在の厚労省の表)。(厚生労働省)
- ボーナスなどをもとにした算定基礎日額の153〜245日分の「遺族特別年金」も、遺族の数に応じて支給されます。(厚生労働省)
- 年金を受けられる遺族がいないときは、遺族(補償)等一時金として給付基礎日額の1000日分が支給されます。(厚生労働省)
- 年金の受給者が全員権利を失い、支払済みの合計が1000日分に満たないときは、その差額が一時金で出ます。(厚生労働省)
- 額は33万円に給付基礎日額の30日分を足した額で、それが60日分に満たなければ60日分です。(厚生労働省)
- 葬祭料は遺族に限らず、実際に葬儀を行った人に支給されます。(厚生労働省)
- 年金の一部を前払いで受け取ることもでき、額は給付基礎日額の200・400・600・800・1000日分から選びます。(厚生労働省)
受け取れる遺族と順位
- 年金は、亡くなった人の収入で生計を維持していた配偶者・子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹のうち、最も順位の高い人が受けます。(厚生労働省)
- 収入で生計の一部を支えていた「共働き」の場合も、生計を維持していたことに含まれます。(厚生労働省)
- 妻以外は条件があり、夫・父母・祖父母は60歳以上、子・孫は18歳になった年度末まで、または一定の障害が必要です。(厚生労働省)
- 順位は①妻・60歳以上などの夫②子③父母④孫⑤祖父母⑥兄弟姉妹、⑦〜⑩は55〜59歳の夫・父母・祖父母・兄弟姉妹です。(厚生労働省)
- 55〜59歳の夫・父母・祖父母・兄弟姉妹は、受給権者になっても60歳になるまで年金が止まります(若年停止)。(厚生労働省)
- 一定の障害とは障害等級5級以上です。届出のない事実婚の配偶者や、死亡時に胎児だった子も対象になります。(厚生労働省)
- 先の順位の人が亡くなったり再婚したりして権利を失うと、次の順位の人が受け取ります(転給)。(厚生労働省)
- 一時金は、配偶者、生計を維持していた子・父母・孫・祖父母、その他の子・父母・孫・祖父母、兄弟姉妹の順です。(厚生労働省)
請求のしかたと時効
- 請求先は、亡くなった人が所属していた事業場の所在地を管轄する労働基準監督署長です。(労働局)
- 年金は、業務災害なら様式第12号、通勤災害なら様式第16号の8(通勤災害に関する事項の別紙つき)で請求します。(厚生労働省)
- 一時金は、業務災害なら様式第15号、通勤災害なら様式第16号の9(別紙つき)で請求します。(厚生労働省)
- 葬祭料は業務災害なら様式第16号、通勤災害の葬祭給付は様式第16号の10で請求します。(厚生労働省)
- 遺族特別支給金などの申請は、原則として遺族(補償)等給付の請求と同時に、同じ様式で行います。(厚生労働省)
- 死亡診断書、戸籍謄本、生計維持を示す書類、ほかの年金を受けている場合はその証明などが必要です。(厚生労働省)
- 請求書に亡くなった人と受給権者の個人番号を書くと、住民票の写しを省ける場合があります。(厚生労働省)
- 請求書には事業主の証明が要ります。会社がなくなった、証明を拒むなどで得られなくても請求はできます。(厚生労働省)
- 会社が労災保険の加入手続きを怠っていても、業務災害・通勤災害で被災した労働者への保険給付は行われます。(確かめよう労働条件(厚生労働省))
- 同じ順位の受給権者が2人以上いるときは、原則として代表者を1人選び、年金申請様式第7号で届け出ます。(厚生労働省)
- 時効は、遺族(補償)等年金と一時金が亡くなった日の翌日から5年、葬祭料(葬祭給付)は2年です。(厚生労働省)
ほかの年金との調整・交通事故・税金
調整・交通事故・税金のくわしいことを開く
- 同じ理由で遺族厚生年金や遺族基礎年金も出る場合、そちらは全額、労災の年金は決まった率で減らして支給されます。(厚生労働省)
- 労災の遺族年金の調整率は、遺族厚生年金と遺族基礎年金の両方なら0.80、遺族厚生年金のみ0.84、遺族基礎年金のみ0.88です。(厚生労働省)
- 減らした後の労災年金と厚生年金などの合計が、減らす前の労災年金より少なくならないよう考慮されます。(厚生労働省)
- 交通事故など第三者が原因のときは、請求書と一緒に「第三者行為災害届」を出します。(厚生労働省)
- 自動車事故では、労災と自賠責保険から同じ損害に二重に支払われないよう調整されます。(厚生労働省)
- 労災保険法で、保険給付として受けたお金を基準に税金などをかけることはできないと定められています。(法令(e-Gov))
勤務先から受け取るお金(死亡退職金・弔慰金)
使えるツール
よくある質問
会社が労災の証明をしてくれないときは?
請求書には事業主の証明が要りますが、会社がなくなった、証明を拒むなどで得られなくても請求はできます。会社が労災保険の加入手続きをしていなかった場合も、保険給付は行われます(厚生労働省の案内)。
遺族厚生年金と、労災の遺族年金は両方もらえますか?
両方受け取れますが、同じ理由で遺族厚生年金や遺族基礎年金も出る場合、そちらは全額、労災の年金は決まった率で減らして支給されます(両方なら0.80、遺族厚生年金のみ0.84、遺族基礎年金のみ0.88)。
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