書き方
自筆証書遺言の書き方と記入例
自筆証書遺言
自筆証書遺言の書き方です。欄ごとの書き方と、記入例の図を見られます。
2026年10月に公式の様式と記入例で確認しました
要点
- 出す先:どこにも出さなくてよい。自宅などで保管するか、法務局に預ける(自筆証書遺言書保管制度)。夫婦でも1人ずつ別に書く(民法975条)
- 期限:期限はない。元気なうちに書き、いつでも書き直せる。前の遺言と食い違う部分は、新しい遺言が優先する(民法1022条・1023条)
- 添付する書類は2種類(くわしくは下の一覧)
記入例(架空の人の例)
山田一郎さん(架空)が、自宅の土地と建物を妻に、預金を長男に渡す遺言を、自分の手で書く例です。欄の並びは見やすく簡単にしています。実際の様式の形は、公式の記入例で確かめてください。
自筆証書遺言記入例
- 1表題
- 遺言書
- 2本文
- 1 私は、私の所有する別紙1の土地と建物を、妻 山田花子(昭和○年○月○日生)に相続させる。
- 3財産の特定
- 2 私は、私の名義の○○銀行○○支店の普通預金(口座番号1234567)を、長男 山田太郎(昭和○年○月○日生)に相続させる。
- 4受け取る人の特定
- 妻 山田花子(昭和○年○月○日生)
- 5遺言執行者(書くときだけ)
- 3 この遺言の遺言執行者として、長男 山田太郎を指定する。
- 6日付
- 令和8年10月18日
- 7住所(書くときだけ)
- 東京都○○区○○町1丁目2番3号
- 8氏名
- 山田 一郎
- 9押印
- 山田(認印)
残りの欄を見る(4欄)
- 10財産目録(付けるとき)
- 別紙1(パソコンで作った土地と建物の一覧)の余白に 山田一郎 と署名し、印を押す
- 11書き間違えたとき
- 上記2中、3字削除3字追加 山田一郎(直した場所に印)
- 12ページ番号(法務局に預けるとき)
- 1/3・2/3・3/3
- 13付言(書くときだけ)
- (書かない)
窓口に持っていくときや、書き写すときに
出す人・出す先・期限
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 出す人 | 遺言する本人(15歳以上)。全文・日付・氏名を自分の手で書く。家族が代わりに書いたり、本文をパソコンで打ったりすると無効(民法968条・961条) |
| 出す先 | どこにも出さなくてよい。自宅などで保管するか、法務局に預ける(自筆証書遺言書保管制度)。夫婦でも1人ずつ別に書く(民法975条) |
| 期限 | 期限はない。元気なうちに書き、いつでも書き直せる。前の遺言と食い違う部分は、新しい遺言が優先する(民法1022条・1023条) |
| 費用 | 自宅で保管するなら費用はかからない。法務局に預けるなら1通3,900円(収入印紙。法務省) |
| 様式 | 法務省(法務局に預けるときの用紙の例)の様式(PDF) |
| 記入例 | 法務省(本文・財産目録・訂正の例)の記入例(PDF) |
| 公式の案内 | 法務省「遺言書の様式等についての注意事項」 |
添付する書類(必要書類)
- 財産目録(付けるとき):パソコンで作った一覧や、不動産の登記事項証明書、通帳のコピーでもよい。目録のすべてのページに署名して印を押す(両面に印刷があるときは両面に。民法968条2項)
- 法務局に預けるとき:保管の申請書、本人確認書類、本籍の載った住民票の写し、手数料3,900円分の収入印紙(遺言書の保管申請書の書き方を見る)
欄ごとの書き方
欄の名前は、公式の様式の書き方に合わせています。番号は、上の記入例の番号と同じです。
- 1表題
- いちばん上に「遺言書」と書く(法務省の様式例どおり)表題がなくても無効にはならないが、遺言だとわかるように書く
- 2本文
- だれに何を渡すかを、全部自分の手で書く。相続人には「相続させる」、相続人でない人には「遺贈する」と書く(法務省)本文をパソコンで打ったり、人に書いてもらったりすると無効
- 3財産の特定
- 不動産は登記事項証明書のとおりに、土地は所在・地番・地目・地積、建物は所在・家屋番号・種類・構造・床面積を書く。預貯金は銀行名・支店名・種類・口座番号がわかるように書く法務省は、財産を確実に特定するために財産目録を付けることをすすめている
- 4受け取る人の特定
- 続柄・氏名・生年月日を書く。相続人でない人には住所も書く(法務省の様式例)同じ名前の人と区別できるようにする
- 5遺言執行者(書くときだけ)
- 遺言の内容を実行する人を決めるときは「この遺言の遺言執行者として、次の者を指定する。」と書き、住所・氏名・生年月日を書く(法務省の様式例)書くかどうかは自由
- 6日付
- 書いた日を、年・月・日まで自分の手で書く「○年○月吉日」は無効(最高裁昭和54年5月31日判決)
- 7住所(書くときだけ)
- 法務省の様式例では、日付の下に住所を書いている要件ではない。法務局に預けるとき、表示させたくない住所は書かない
- 8氏名
- 自分の手でフルネームを書く法務局に預けるときは戸籍どおりの氏名で書く(ペンネームは不可)
残りの欄を見る(5欄)
- 9押印
- 氏名の横に印を押す。2026年10月時点では必要(民法968条1項)認印でもよいが、スタンプ印は避ける(法務省)。花押は押印にならない(最高裁平成28年6月3日判決)
- 10財産目録(付けるとき)
- 「別紙1」などとして本文に添える。パソコンで作った一覧、登記事項証明書や通帳のコピーでもよい。目録のすべてのページに署名して印を押す通帳のコピーは、銀行名・支店名・口座名義・口座番号がわかるページを使う。法務局に預けるときは片面だけにする
- 11書き間違えたとき
- 直す場所を示し、余白などに「何字削除、何字追加」と書いて署名し、直した場所に印を押す(民法968条3項)この形でないと、直した部分は効力がない。法務省は、変更があるときは書き直すことをすすめている
- 12ページ番号(法務局に預けるとき)
- 2枚以上なら、各ページの余白の内側に「1/2」「2/2」のように書く1枚だけなら要らない(2026年3月2日から)。ホチキスでとめず、封もしない
- 13付言(書くときだけ)
- 家族への気持ちや、分け方の理由を最後に書き添える人もいる書くかどうかは自由
気をつけること
- 2026年6月に公布された民法の改正で、自筆証書遺言の押印が要らなくなる(公布から1年以内の、政令で決める日から。2026年10月時点で日にちは未定)
- 改正の施行日より前に書く遺言は、今までのルールのまま。印がないと無効になるので、今書くなら印を押す(改正法附則5条)
- 手で書かなくてよいのは財産目録だけ。その全ページに署名と押印が要る(民法968条2項)
- 兄弟姉妹以外の相続人には、最低限の取り分(遺留分)がある。遺言で少なくされた人は、その分のお金を請求できる(民法1042条)
- 家に置いた自筆の遺言書は、亡くなったあと家庭裁判所の検認が要る。封がしてあれば家庭裁判所で開ける(民法1004条・1005条)。法務局に預ければ検認は要らない
- 法務局は、遺言の内容の相談には応じない。内容に迷ったら弁護士などに相談する(法務省)
この前・この次の書類
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- 独身の兄弟姉妹が亡くなったとき兄弟姉妹・甥姪が相続人。2割加算・遺留分なし・賃貸の部屋
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