家族の事情
未成年の相続人がいるとき
特別代理人の選任と、未成年者控除
夫が亡くなり、妻と未成年の子が相続人になるときのように、親と子がどちらも相続人だと、親は子の代わりに遺産の分け方を決められません。家庭裁判所の案内をもとに、特別代理人の選び方と、遺産分割の進め方をまとめました。
2026年10月に裁判所・法務省・外務省・国税庁の公式ページで確認しました確かめ方
要点
- 親も相続人なら、親は子の代わりに遺産分割の話し合いができない。家庭裁判所で特別代理人を選んでもらう
- 申立ては子1人につき収入印紙800円と郵便切手。遺産分割協議書の案をつけて出す
- 相続税がかかるときは、18歳になるまでの年数×10万円を税額から引ける(未成年者控除)
ふつうの相続と違うところ
- 親(親権者)も相続人のときは、親と子の取り分がぶつかる(利益相反)ため、親は子の代わりに遺産分割協議ができない。家庭裁判所に特別代理人の選任を申し立て、選ばれた特別代理人が子を代理する。(裁判所)
- 1人の親が、未成年の子2人以上をまとめて代理して遺産分割協議をすることも利益相反にあたる。(裁判所)
- 特別代理人は、家庭裁判所の審判に書かれた行為(遺産分割など)だけを代理し、それが済めば役目は終わる。資格は要らないが、子との関係や利害の有無から適任かどうか判断される。(裁判所)
- 申立てには遺産分割協議書の案を付ける。家庭裁判所の案内では、遺産分割では原則として未成年者の法定相続分を確保するよう求めている(金沢家庭裁判所の未成年後見人向けQ&A)。(裁判所)
- 未成年者だけが相続放棄をするときや、子の一部だけが相続放棄をするときも、特別代理人が必要になる(親が先に放棄している場合などを除く)。(裁判所)
- 相続税がかかる場合、18歳未満の相続人は、18歳になるまでの年数1年につき10万円を税額から差し引ける(未成年者控除。1年未満は切り上げ)。引ききれない分は、扶養義務者の税額から差し引ける。(国税庁)
進め方
- 遺産の内容と分け方の案を決め、遺産分割協議書の案を作ります
- 子の住所地の家庭裁判所に、特別代理人の選任を申し立てます(協議書の案を添えます)。候補者には、子と利害がぶつからない人(相続人ではない親族など)を書きます。適任かどうかは家庭裁判所が判断します
- 選ばれた特別代理人が、子に代わって遺産分割協議書に署名・押印します
- 協議書で預金や土地・建物の手続きをします。特別代理人の役目は、そこで終わります
子が2人以上いるときは、子1人ごとに特別代理人が要ります(1人の親が2人以上の子をまとめて代理するのも、利益がぶつかるためです)。親が亡くなり子が遺族基礎年金を受け取れることもあるので、遺族年金の計算も確かめてください。
家庭裁判所の手続き
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 手続き | 特別代理人選任(親権者とその子との利益相反の場合) |
| 申し立てる人 | 親権者、利害関係人 |
| 申し立てる先 | 子の住所地の家庭裁判所 |
| 費用 | 収入印紙800円分(子1人につき)と連絡用の郵便切手(額は裁判所ごとに異なる。例:東京家庭裁判所は1,100円分) |
| おもな書類 |
|
使えるツールと相談先
手続きの書き方は家庭裁判所の家事手続案内で、法律の相談は法テラスや弁護士会の法律相談センターでできます。住んでいる地域の家庭裁判所は地域の窓口を探すで探せます。
よくある質問
遺言書があれば、特別代理人はいりませんか?
遺言書ですべての財産の分け方が決まっていれば、遺産分割の話し合いがいらないため、特別代理人を選ばずに済むことが多くなります。分け方が決まっていない財産があるときは、その分割に特別代理人が要ります。
特別代理人にはだれがなれますか?
資格はいりません。子との関係や利害の有無から、家庭裁判所が適任かどうかを判断します。
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