話し合いの準備
家族会議の進め方
遺産分割の話し合いの準備・議題・もめやすいところ
遺産の分け方は、相続人全員の話し合い(遺産分割協議)で決めます。感情がぶつかりやすい場なので、話し合いの前にそろえるもの、当日の議題、もめやすいところを、順番にまとめました。議題は印刷して使えます。
2026年10月時点の制度をもとにまとめました確かめ方
要点
- 遺産分割の話し合いは、相続人全員でする(1人でも欠けると、やり直しになる)
- 先に「相続人」「遺産と借金の一覧」「遺言の有無」をそろえてから話す
- 決まったら遺産分割協議書に。まとまらなければ家庭裁判所の調停へ
話し合いの前にそろえるもの
当日の議題
この順に話すと、事実の確認から希望の話へ進めます。
- 遺言があるかを確かめる(あれば、その内容)
- だれが相続人かを確かめる(戸籍で)
- 遺産と借金の一覧を見る
- 実家をどうするか(住む・売る・貸す)
- それぞれの希望を聞き、分け方の案を出す
- 葬儀・法要の費用の精算
- 手続きの担当と期限
- 次に集まる日・決まったことの確認
決めること
- だれが、どの財産を相続するか(預貯金・株・土地・建物・車)
- 実家をどうするか。1人が継いでほかの人にお金を払うなら代償分割の計算、売るなら売ったときの手取り
- 葬儀・法要の費用と、これからの法要・お墓の負担
- 手続きのだれが何をするか(相続の手続きナビで分担を決められます)
- 相続税がかかるなら、申告をだれに頼むか(相続にかかるお金の総額)
もめやすいところ
- 実家に住んでいる人がいる:住み続けたい人と、売って分けたい人で意見が分かれます。代償分割や、売るまでの期限を決める方法があります
- 介護をした人の貢献:介護などで財産を守った相続人には「寄与分」、相続人でない親族(子の配偶者など)には「特別寄与料」が認められることがあります
- 生前にもらったお金:家の頭金や学費など、特定の人だけが受けた贈与は「特別受益」として、取り分の計算に入れることがあります。相続から10年たつと、原則として主張できなくなります
- 亡くなる前後の預金の引き出し:だれが何に使ったかを、通帳と領収書で確かめます
寄与分・特別受益の計算と、調停の流れは遺産分割でもめたときにまとめています。
話し合いに加われない人がいるとき
- 未成年の相続人がいて、親も相続人のとき:家庭裁判所で特別代理人を選びます(相続人に未成年がいるとき)
- 認知症などで判断がむずかしい相続人がいるとき:成年後見人などが代わりに加わります(相続人が認知症のとき)
- 連絡がつかない相続人がいるとき:不在者財産管理人を選びます(相続人が行方不明のとき)
- 遠くに住んでいるとき:電話や手紙でやり取りし、遺産分割協議書を郵送で回して署名・押印してもらえます
決まったら・まとまらなければ
- 話し合いのたびに、日付・出た人・決まったこと・宿題をメモし、全員に送ります
- 決まったら、遺産分割協議書を作り、全員が署名して実印を押します(印鑑証明書も添えます)。書き方は書類の書き方から
- まとまらないときは、家庭裁判所の遺産分割調停を使えます(遺産分割でもめたとき)
- 相続税がかかる家は、話し合いがまとまらなくても、申告の期限(10か月)は延びません。早めに税理士に相談します
よくある質問
相続人の1人が話し合いに来られません。
遺産分割の話し合いは、相続人全員でします。全員が集まれなくても、電話や手紙でやり取りし、遺産分割協議書を郵送で回して、全員が署名と実印の押印をすれば成立します。
借金は、話し合いでだれか1人が引き継ぐと決めれば済みますか?
相続人どうしでは決められますが、お金を貸した人(債権者)には、法定相続分の割合で請求されます。1人が引き継ぐには、債権者の同意が要ります。借金が多いときは、3か月以内に相続放棄も考えます。
お墓や仏壇も、遺産と一緒に分けるのですか?
お墓や仏壇は、遺産とは別に、引き継ぐ人(祭祀を主宰する人)が1人で引き継ぎます(民法897条)。だれが引き継ぐかを話し合いで決めておくと、あとで困りません(お墓の手続き)。
次に使うと便利なページ
- 遺産の一覧表財産と借金を書き出して、合計と相続税の目安
- 代償分割の計算実家を1人が継ぐとき、ほかの相続人に払うお金
- 遺産分割でもめたとき特別受益・寄与分と、調停の費用・期間
- 戸籍の集め方要る戸籍と、広域交付で取れる人・費用の目安
- 相続の手続きナビわが家に必要な手続きを、期限順にチェック
「遺産を分ける・相続税」のほかのページ(23)
- 相続にかかるお金の総額実費・専門家の報酬・相続税をまとめて
- 法定相続分の計算だれが、どれだけ相続するか
- 代襲相続・数次相続孫・甥・姪の取り分を計算
- 法定相続情報一覧図の作成相続関係説明図も、A4で印刷・PDF保存
- 遺留分の計算いくら請求できる?割合と期限
- 相続放棄の手続き続柄ごとの必要書類・費用・3か月の期限
- 相続放棄申述書の書き方欄ごとの書き方と、添付する戸籍
- 相続人がいないとき相続財産清算人・特別縁故者の期限と費用
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- 路線価で土地の評価額奥行・間口・角地の補正と、小規模宅地
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- 生前贈与の計算暦年と精算課税の比較、足し戻される期間
- 株・証券口座の相続評価額の計算と、口座の探し方
- 公正証書遺言の費用公証人手数料(2025年10月改定後)を計算
- 遺言書の検認必要かどうか・費用・書類
- 子どものいない夫婦の相続相続人は配偶者と、親か兄弟姉妹
- 前の結婚の子がいる相続前の結婚の子も相続人。連絡のとり方と調停
- 相続人に認知症の人がいるとき成年後見の申立てと、費用・期間
- 未成年の相続人がいるとき特別代理人の選任と、未成年者控除
- 海外に住む相続人がいるとき印鑑証明の代わりのサイン証明と、在留証明
- 連絡がとれない相続人がいるとき不在者財産管理人と、失踪宣告
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