書き方

遺産分割協議書の書き方と記入例
遺産分割協議書(相続人全員で決めた遺産の分け方を書き、全員が実印を押す書類)

遺産分割協議書(相続人全員で決めた遺産の分け方を書き、全員が実印を押す書類)の書き方を、欄ごとに説明します。公式の様式と記入例をもとにしています。

2026年10月に公式の様式と記入例で確認しました

要点

  • 出す先:使う手続きごとに違う。相続登記では、登記申請書と一緒に、不動産の所在地を管轄する法務局に原本を出す。相続税の申告では、申告書に写しを付けて、亡くなった人の住所地の税務署に出す
  • 期限:協議書そのものに期限はない。ただし、相続税の申告は亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内、相続登記は不動産を取得したと知った日から3年以内。亡くなってから10年を過ぎると、原則として特別受益や寄与分を考えずに分ける
  • 添付する書類は5種類(くわしくは下の一覧)
公式の記入例(PDF)
目次(6)
  1. 出す人・出す先・期限
  2. 添付する書類(必要書類)
  3. 記入例(架空の人の例)
  4. 欄ごとの書き方
  5. 気をつけること
  6. 関係するページ

出す人・出す先・期限

項目内容
出す人相続人全員で作る。遺言書がないときは、相続人全員で遺産の分け方を話し合い(遺産分割協議)、まとまったら協議書を作る
出す先使う手続きごとに違う。相続登記では、登記申請書と一緒に、不動産の所在地を管轄する法務局に原本を出す。相続税の申告では、申告書に写しを付けて、亡くなった人の住所地の税務署に出す
期限協議書そのものに期限はない。ただし、相続税の申告は亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内、相続登記は不動産を取得したと知った日から3年以内。亡くなってから10年を過ぎると、原則として特別受益や寄与分を考えずに分ける
費用自分で作れば手数料はかからない。付ける印鑑証明書は、住所地の市区町村で取る(発行の手数料がかかる)。不動産を分ける遺産分割協議書は、印紙税の「不動産の譲渡に関する契約書」にはあたらない(国税庁の印紙税法基本通達)
様式決まった様式はありません。法務局の例を参考に、協議の結果に合わせて自分で作ります。
記入例法務局の記入例(PDF)
公式の案内法務局

添付する書類(必要書類)

記入例(架空の人の例)

2026年8月10日に亡くなった山田一郎さん(架空)の遺産を、妻の花子さんと長男の太郎さんが分ける例です(土地・建物と預金は花子さん、貯金は太郎さん)。欄の並びは見やすく簡単にしています。実際の様式の形は、公式の記入例で確かめてください。

遺産分割協議書記入例

1表題
遺産分割協議書
2亡くなった人の表示(亡くなった日・最後の住所・氏名)
令和8年8月10日、東京都○○区○○町1丁目2番3号 山田一郎 の死亡によって開始した相続
3亡くなった人の最後の本籍(書くかどうかは自由)
(最後の本籍 東京都○○区○○町1丁目2番地)
4相続人全員の氏名と、全員で協議したこと
…の共同相続人である山田花子及び山田太郎は、本日、その相続財産について、次のとおり遺産分割の協議を行った。
5不動産を相続する人
相続財産のうち、下記の不動産は、山田花子が単独で相続する。
6不動産の表示(土地)
所在 東京都○○区○○町一丁目/地番 2番3/地目 宅地/地積 120・50平方メートル
7不動産の表示(建物)
所在 東京都○○区○○町一丁目2番地3/家屋番号 2番3/種類 居宅/構造 木造かわらぶき2階建/床面積 1階 60・00平方メートル 2階 45・00平方メートル
8預金・貯金を相続する人と口座
○○銀行 ○○支店 普通預金(口座番号○○○○○○○)は、山田花子が相続する。/ゆうちょ銀行 定額貯金(記号番号○○○○○-○○○○○○○○)は、山田太郎が相続する。
9書いていない遺産・あとから見つかった遺産(書くかどうかは自由)
本協議書に記載のない遺産及び後日判明した遺産は、山田花子が相続する。
残りの欄を見る(4欄)
10作る通数と、だれが持つか
この協議を証するため、本協議書を2通作成して、それぞれに署名、押印し、各自1通を保有するものとする。
11日付
令和8年10月25日
12相続人全員の住所・氏名・実印
東京都○○区○○町1丁目2番3号 山田 花子(実印)/神奈川県○○市○○1丁目2番3号 山田 太郎(実印)
132枚以上になったとき(契印)
(この例は1枚に収まるので、契印はいらない)
名前・住所・番号はすべて架空で、書類ごとに別の場面の例です。青い字が、自分で書くところの例です。

窓口に持っていくときや、書き写すときに

欄ごとの書き方

欄の名前は、公式の様式の書き方に合わせています。番号は、上の記入例の番号と同じです。

1表題
いちばん上に「遺産分割協議書」と書く
2亡くなった人の表示(亡くなった日・最後の住所・氏名)
亡くなった日、最後の住所、氏名を書き、「の死亡によって開始した相続」と続ける(法務局の例)亡くなった日は戸籍の死亡日。相続登記の申請書の「原因」に書く日と同じ
3亡くなった人の最後の本籍(書くかどうかは自由)
法務局の例にはない欄。書くときは、除籍謄本(戸籍)のとおりに書く登記簿上の住所と本籍が違うときは、相続登記で、つながりが分かる住民票の除票か戸籍の附票が別に要る(法務局)
4相続人全員の氏名と、全員で協議したこと
相続人全員の氏名を並べ、全員で遺産分割の協議をしたことを書く遺産分割は、法律で決められた相続人が全員参加して決める(法務省)
5不動産を相続する人
だれが、どの不動産を相続するかを書く法務局の例は、この一文のあとに「記」と書き、不動産の表示を下にまとめている
6不動産の表示(土地)
登記事項証明書のとおりに、所在・地番・地目・地積を書く相続登記の申請書の不動産の表示と同じにする(どちらも登記事項証明書のとおり)
7不動産の表示(建物)
登記事項証明書のとおりに、所在・家屋番号・種類・構造・床面積を書く
8預金・貯金を相続する人と口座
だれが、どの預金・貯金を相続するかを、金融機関名・支店名・預金の種類・口座番号で書く家庭裁判所の遺産目録の記載例も、銀行名・支店名・種類・口座番号で書き、ゆうちょ銀行は支店名の代わりに記号番号を書く(福島家庭裁判所)
残りの欄を見る(5欄)
9書いていない遺産・あとから見つかった遺産(書くかどうかは自由)
法務局の例にはない。書くときは、この協議書に書いていない遺産や、あとから見つかった遺産を、だれが相続するかを書くこのような条項は、忘れていた財産や家財道具を、同居していた家族などに取得させるためのもので、書いていない高額な財産は、特別な事情がない限り含まれないとした国税不服審判所の裁決がある(2015年。国税庁の税務大学校の解説)。分かっている遺産は1つずつ書く
10作る通数と、だれが持つか
協議書を何通作り、だれが持つかを書く。法務局の例は、相続人3人で3通作り、1通ずつ持つ相続登記には協議書の原本を出す。原本を返してほしいときは、コピーに「原本に相違ありません」と書き、申請書に押印した人が署名(記名)押印して一緒に出す(法務局)
11日付
協議をして、協議書に署名・押印をした日を書く相続登記の申請書の「原因」には、この日ではなく、亡くなった日を書く(法務局)
12相続人全員の住所・氏名・実印
相続人全員が、住所と氏名を書き、実印(印鑑証明書と同じ印)を押す法務局の例の文は「それぞれに署名、押印し」。協議書に押した印の印鑑証明書を、1人1通ずつ付ける(法務局)
132枚以上になったとき(契印)
法務局の例は1枚で、協議書が2枚以上になるときの契印の説明はない。法務局は、登記申請書や、原本を返してもらうためのコピーが2枚以上になるときは、とじた各用紙のつづり目に契印するよう案内している協議書が2枚以上になるときの契印のしかた(だれの印で押すかなど)は、出す先の法務局や金融機関に確かめる

気をつけること

ほかの注意(8件)
  • 認知症などで自分で判断する力がない相続人がいるときは、まず成年後見の手続きが要る。選ばれた成年後見人などが本人に代わって協議に加わる(大阪家庭裁判所・法務省)。後見は、遺産分割が終わっても、本人が回復するか亡くなるまで続く(裁判所)
  • 成年後見人も相続人のときは、本人のために特別代理人を選ぶ(相続人でない後見監督人がいれば、その人が本人を代理する)。協議では、本人に原則として法定相続分を確保する(旭川家庭裁判所)
  • 海外に住んでいて印鑑証明書が取れない相続人は、日本の領事が作った署名証明を、印鑑証明書の代わりに付ける(不動産登記。法務省)
  • 遺言書があるときは、遺言書による。遺言書がないときに、相続人全員で協議して協議書を作る(国税庁)。相続登記も、遺言書があるときは別の様式と書類を使う。自筆の遺言書は、法務局に保管されていたもの以外は、家庭裁判所の検認が要る(法務局)
  • 相続税の申告書には、協議書の写しを付けるよう国税庁がお願いしている。配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例を受けるときは、相続人全員の実印が押された協議書の写しと、全員の印鑑証明書が要る。印鑑証明書は原本を出す(国税庁)
  • 相続税の申告期限までに分割できないときは、法定相続分で取得したものとして申告する。配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例を受けたいときは、「申告期限後3年以内の分割見込書」を付ける(国税庁)
  • 預貯金も遺産分割の対象になる。遺産分割が終わる前でも、一定の範囲で払戻しを受けられる制度がある(法務省)
  • 相続登記では協議書の原本を出す。相続関係説明図を付けても、協議書の原本は返ってこない。返してほしいときは、コピーも一緒に出す(法務局)

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「相続登記(3年以内)」の書類です。

同じ時期の書類:法定相続情報一覧図の申出書の書き方・相続関係説明図の書き方・相続登記の申請書の書き方・法定相続情報一覧図の作成・相続人代表者指定届(固定資産税)の書き方

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