書き方

相続土地国庫帰属の承認申請書の書き方と記入例
相続土地国庫帰属の承認申請書(相続した、いらない土地を国に引き取ってもらうために、法務局に出す書類)

相続土地国庫帰属の承認申請書(相続した、いらない土地を国に引き取ってもらうために、法務局に出す書類)の書き方を、欄ごとに説明します。公式の様式と記入例をもとにしています。

2026年10月に公式の様式と記入例で確認しました

要点

  • 出す先:土地がある都道府県の法務局・地方法務局の本局(支局・出張所では受け付けない)。窓口に持って行く(家族が代わりでもよい)か、書留郵便かレターパックプラスで郵送する(法務省)
  • 期限:期限はなく、2023年4月27日より前に相続した土地も対象。審査は8か月程度(標準処理期間)。承認されたら、通知が届いた日の翌日から30日以内に負担金を納める(納めないと承認は効力を失う。法務省)
  • 添付する書類は9種類(くわしくは下の一覧)
様式(PDF)を開く公式の記入例(PDF)
目次(6)
  1. 出す人・出す先・期限
  2. 添付する書類(必要書類)
  3. 記入例(架空の人の例)
  4. 欄ごとの書き方
  5. 気をつけること
  6. 関係するページ

出す人・出す先・期限

項目内容
出す人相続か、相続人への遺贈で土地を取得した人(相続登記をしていなくてもよい)。共有の土地は共有者全員で申請する。代わりに申請できるのは成年後見人などの法定代理人だけ。申請書の作成は弁護士・司法書士・行政書士に頼める(法務省)
出す先土地がある都道府県の法務局・地方法務局の本局(支局・出張所では受け付けない)。窓口に持って行く(家族が代わりでもよい)か、書留郵便かレターパックプラスで郵送する(法務省)
期限期限はなく、2023年4月27日より前に相続した土地も対象。審査は8か月程度(標準処理期間)。承認されたら、通知が届いた日の翌日から30日以内に負担金を納める(納めないと承認は効力を失う。法務省)
費用審査手数料は土地1筆14,000円(収入印紙を貼る。取り下げ・却下・不承認でも返らない)。負担金は原則20万円で、森林と、市街化区域などの宅地・田畑は面積で計算する(法務省)。この見本の山林3,000㎡なら299,000円(3,000㎡×17円+248,000円。法務省)
様式法務省の様式(PDF)
記入例法務省の記入例(PDF)
公式の案内法務省

添付する書類(必要書類)

ほかの書類(4件)
  • (5)遺贈で取得したとき:遺言書など、相続人が遺贈を受けたことがわかる書類(法務省)
  • (7)申請者が登記上の持ち主で、登記の氏名・住所が今と違うとき:住民票か戸籍の附票(法務省)
  • 任意で付ける書類:固定資産評価証明書、境界確認書や昔の図面など境界の資料。審査のため、できるだけ出すよう求めている(法務省)
  • 戸籍などの原本を返してほしいとき:「原本の写しに相違ない」と書いたコピーと一緒に出す(印鑑証明書と登記嘱託の承諾書は返らない。法務省)

記入例(架空の人の例)

2026年8月10日に亡くなった山田一郎さん(架空)から相続した山林を、長男の太郎さんが国に引き取ってもらうよう申請する例です。欄の並びは見やすく簡単にしています。実際の様式の形は、公式の記入例で確かめてください。

相続土地国庫帰属の承認申請書記入例

1ページ数
1/6(様式に印字されている)
2申請年月日
令和8年12月14日
3宛先(○○法務局長 殿)
長野地方法務局長 殿
41 承認申請者(氏名・住所)
氏名 山田 太郎/住所 神奈川県○○市○○1丁目2番3号
52 承認申請に係る土地(所在・地番・地目・地積)
所在 長野県○○郡○○村大字○○字○○/地番 ○○番/地目 山林/地積 3000㎡
63 承認申請に係る土地の所有権登記名義人(又は表題部所有者)
氏名 山田 一郎/住所 東京都○○区○○町1丁目2番3号
74 添付書類(必須書面)
☑(1)図面 ☑(2)境界点の写真 ☑(3)形状の写真 ☑(4)印鑑証明書
84 添付書類((5)〜(7)と任意書面)
☑(6)/任意書面 ☑固定資産評価証明書
95 審査手数料
14,000円
残りの欄を見る(7欄)
106 承認申請に係る土地の状況
別紙のとおり
117 その他(3つの承諾)
(1)☑はい(長野地方法務局)/(2)☑はい/(3)☑はい(長野地方法務局)
12承認申請者(住所・氏名・実印・連絡先)
神奈川県○○市○○1丁目2番3号 山田 太郎(実印)/連絡先 090-○○○○-○○○○
13承認申請書作成者・家族の連絡先(どちらも任意)
(自分で作り、連絡も自分で受けるので書かない)
14字を直したとき
(訂正がないので書かない)
15別紙 承認申請に係る土地の状況について
☑(全部の項目。【森林の場合】の項目も含む)/承認申請者氏名 山田 太郎
17収入印紙貼付台紙
収入印紙14,000円分(割印しない)
名前・住所・番号はすべて架空で、書類ごとに別の場面の例です。青い字が、自分で書くところの例です。

窓口に持っていくときや、書き写すときに

欄ごとの書き方

欄の名前は、公式の様式の書き方に合わせています。番号は、上の記入例の番号と同じです。

1ページ数
申請書が2枚以上になるときは、上か下の余白にページ数を書く(法務省の記載例)法務省の様式(Ver.1.2)は全部で6ページで、ページ数が印字されている。4・5ページが別紙(土地の状況)、6ページが収入印紙を貼る台紙
2申請年月日
申請書を出す日を書く
3宛先(○○法務局長 殿)
申請する土地を担当する法務局か地方法務局の名前を書く(法務省の記載例)長野県の土地なら長野地方法務局。北海道は4つの法務局・地方法務局に分かれている(法務省)
41 承認申請者(氏名・住所)
申請する人の氏名と住所を書く(法務省の記載例)申請できるのは、相続か、相続人への遺贈で取得した人。相続人でない人が遺贈で取得した土地は対象外(法務省のQ&A)
52 承認申請に係る土地(所在・地番・地目・地積)
登記記録のとおりに、所在・地番・地目・地積を書く。同じ人が何筆かを同時に申請するときは、ここに全部書けば、申請書を1通にまとめられる(法務省の記載例)負担金は登記記録の地積で計算する。現況の面積と違うときは、承認の前に地積更正などの登記をするのが原則(法務省のQ&A)
63 承認申請に係る土地の所有権登記名義人(又は表題部所有者)
登記記録に書かれているとおりに、所有権登記名義人(表題登記だけのときは表題部所有者)の氏名と住所を書く。申請者と同じなら「1に同じ。」でもよい(法務省の記載例)相続登記をしていないときは、亡くなった人の名前のままなので、その氏名と登記上の住所を書き、4の(6)の書類を付ける(法務省)
74 添付書類(必須書面)
(1)〜(4)がそろっているか確かめて、□にレ印を付ける(法務省の記載例)何筆かを申請するときは、(1)〜(3)を1筆ごとに作る(法務省の記載例)
84 添付書類((5)〜(7)と任意書面)
当てはまる書類の□にレ印を付ける。(5)は遺贈で取得したとき、(6)は申請者と登記上の持ち主が違うとき、(7)は申請者が登記上の持ち主で、登記の氏名・住所が変わっているとき(法務省の記載例)遺言がある場合や、相続放棄をした人がいる場合は、法務局に相談するよう記載例に書かれている
残りの欄を見る(9欄)
95 審査手数料
1筆なら14,000円。何筆かを1通で申請するときは「14,000円×筆数」の額を書く(法務省の記載例)隣り合った土地でも、手数料は1筆ごとにかかり、まとめて1筆分にはできない(法務省)
106 承認申請に係る土地の状況
「別紙のとおり」と書き(様式に印字されている)、別紙のチェックをする(法務省の記載例)
117 その他(3つの承諾)
(1)法務局が固定資産課税台帳の情報を市町村から取ること、(2)国に帰属したあと、国の機関が所有権移転の登記を嘱託すること、(3)寄附の受付などを確かめるため、国や自治体などに申請の情報を出すこと。内容を確かめて「はい」にレ印を付ける。(1)(3)の空欄には法務局の名前を書く(法務省の記載例)(2)の登記嘱託の承諾がないと、申請を受け付けてもらえない。(3)に同意しなくても審査は進む。国の機関(財務省・農林水産省)には、同意がなくても、法令にもとづいて申請があったことが伝えられる(法務省)
12承認申請者(住所・氏名・実印・連絡先)
「本件申請の内容は真実に相違ありません。」の文の下に、住所と氏名を書いて実印を押し、連絡のつく電話番号を書く。メールアドレスは任意(法務省の記載例)法務局から、内容の確認や現地調査の案内の連絡が来る。連絡がつかないと、審査が進まなかったり、却下されたりすることがある。引っ越したら必ず知らせる(法務省)
13承認申請書作成者・家族の連絡先(どちらも任意)
弁護士・司法書士・行政書士が申請書を作ったときは、その住所・氏名・連絡先を書ける。土地の事情をよく知る家族の連絡先も書くときは、申請者との間柄と、書く理由も書く(法務省の記載例)家族や親族が書類づくりを手伝ってもよいが、申請者の名前は土地の持ち主本人にする(法務省)
14字を直したとき
字を直したり、加えたり、消したりしたときは、その旨と字数を欄外に書くか、その部分に括弧などの記号を付ける。訂正の箇所への押印は要らない(法務省の記載例)
15別紙 承認申請に係る土地の状況について
却下・不承認の理由に当たるかどうかを自分で確かめ、当てはまらない項目の□にレ印を付け、最後に申請者の氏名を書く。申請のときの自分の認識でよく、特別な調査は要らない(法務省の記載例)【森林の場合】の項目(森林経営の委託契約・入会権・経営管理権、林道・登山道、立木の販売契約、国による整備が要る森林)も確かめる。レ印のない項目があると、法務局から理由を聞かれることがある。最後は、実地調査をして法務局が判断する(法務省の記載例)
17収入印紙貼付台紙
審査手数料(1筆14,000円)の分の収入印紙を貼る。割印はしない(法務省の記載例)印紙は、受け付けのときに法務局の担当者が消印する。割印をした印紙は使えない。登記で再使用証明を受けた印紙も使えない(法務省のQ&A)

気をつけること

ほかの注意(9件)
  • 2026年8月31日までに、申請は5,997件、国に帰属したのは3,119件。却下は85件(添付書類を出さなかった37件など)、不承認は100件(地上に有体物がある46件など)。取り下げ1,139件のうち586件は、自治体や隣の土地の持ち主が引き受けるなど、活用の見込みが立ったため(法務省の統計・速報値)
  • 申請してから、承認されて負担金を納めるまでは、土地は申請者のもの。草刈りなどの管理も申請者がする(法務省のQ&A)
  • 相続登記をしないまま申請し、取り下げたり、却下・不承認になったりしたときは、申請者がそのまま持ち主なので、相続登記を申請する必要がある(法務省のQ&A)
  • 売る相手が見つかったら、売る前に法務局に連絡して申請を取り下げる。取り下げずに売ると、申請は却下される(法務省のQ&A)
  • 結果が出る前に申請者が亡くなったときは、土地を相続した人が、亡くなった日から60日以内に法務局に申し出れば、手続きを続けられる。申し出がないと却下される(法務省)
  • 承認されると、承認の通知と負担金の納入告知書が届く。負担金は、日本銀行や銀行・ゆうちょ銀行などの窓口か、ネットバンキングなどで納める。法務局に現金を持って行って払うことはできない。納めた時点で、土地は国のものになる(法務省)
  • 隣り合う2筆以上の土地が同じ種類(例:森林どうし)なら、1つの土地とみなして負担金を計算するよう申し出られる。申出は、申請書を出してから承認されるまでにする(法務省)
  • 偽りや不正な手段で承認を受けたことがわかると、承認は取り消され、損害賠償の責任を負うこともある。納めた負担金も返らない(法務省)
  • 申請の前に、土地がある都道府県の法務局・地方法務局の本局で相談できる。予約制で、1人1日1回30分以内。窓口・電話・ウェブで受ける。作った書類も、相談で見てもらえる(法務省のQ&A)

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