ガイド

NISA・証券口座の相続
死亡の届出書・引き継ぐ値段・売ったときの税金

NISAや証券会社の口座を持っていた人が亡くなったら、相続人は金融機関に届け出て、株や投資信託を自分の口座に移します。NISA口座にあった分と、特定口座にあった分では、引き継ぐ値段の扱いが違います。届け出から、売ったときの税金までを説明します。

2026年10月に、国税庁・金融庁・日本証券業協会の案内で確かめました

要点

  • NISA口座の人が亡くなったら、口座のあるすべての金融機関に「非課税口座開設者死亡届出書」を出す
  • 亡くなった時までの値上がり益は非課税。相続人のNISA口座には移せず、特定口座か一般口座へ(亡くなった日の終値で引き継ぐ)
  • 特定口座の株は「相続上場株式等移管依頼書」で相続人の特定口座へ。亡くなった人の取得費を引き継ぐ
目次(4)
  1. NISA口座があったとき
  2. 特定口座の株
  3. 売ったときの税金
  4. よくある質問

NISA口座があったとき

  1. 届け出:相続人は、亡くなったことを知ったあと遅滞なく、NISA口座のある金融機関に「非課税口座開設者死亡届出書」を出します。年ごとに別の金融機関で口座を開いていたときは、そのすべてに出します(国税庁)
  2. 非課税の扱い:亡くなった時にさかのぼって払い出したものとして扱われ、亡くなった時までの値上がり益には税金がかかりません。亡くなった日から届け出るまでに受け取った配当には、さかのぼって税金がかかります
  3. 移す先:相続人のNISA口座には移せず、相続人の特定口座か一般口座に入れます。特定口座に入れるには、同じ証券会社に相続人の特定口座があり、同じ銘柄を全部まとめて移します

2023年までの一般NISA・つみたてNISAの分も、2024年からのNISAの分も、扱いは同じです。ジュニアNISAは2024年から全額を非課税で払い出せます(金融庁)。必要な書類は金融機関ごとに違うので、口座のある金融機関に問い合わせてください。

特定口座の株

亡くなった人の特定口座にある株は、同じ証券会社に開いた相続人の特定口座に移せます。そのときは「相続上場株式等移管依頼書」を出します。相続税の計算に使う評価額や、口座の探し方・手続きの流れは株・証券口座の相続へ。証券会社がわからないときは財産と借金の探し方で、ほふり(証券保管振替機構)への開示請求も説明しています。

売ったときの税金

もとの口座売ったときの取得費
NISA口座亡くなった日(相続が始まった日)の終値
特定口座・一般口座亡くなった人が買った値段を引き継ぐ。わからなければ売った金額の5%

国税庁 No.1464。相続税を払った人が、相続税の申告期限の翌日から3年以内に売ると、払った相続税のうちその株に対応する分を取得費に足せます(取得費加算の特例。確定申告が必要。国税庁 No.3267)。相続人が受け取ったあとの値上がり益や配当には、ふつうに税金がかかります。

よくある質問

NISAの株を、そのまま相続人のNISA口座に移せますか?

移せません。NISA口座には、新しく買ったものしか入れられません。相続した株や投資信託は、相続人の特定口座か一般口座に入れます。相続人があとで自分のNISAで買うのは、相続人自身の投資枠を使う新しい買い付けです。

死亡の届出書は、いつまでに出しますか?

「亡くなったことを知った日のあと遅滞なく」で、何日以内という決まりはありません。ただ、亡くなった日から届け出るまでにNISA口座で受け取った配当は、さかのぼって税金がかかるので、早めに出しましょう。

相続した株を売ると、税金はどう計算しますか?

NISA口座にあった分は、亡くなった日の終値で買ったものとして計算します。特定口座・一般口座にあった分は、亡くなった人が買った値段を引き継ぎます(わからなければ売った金額の5%)。相続税を払った人は、取得費加算の特例も使えます。

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