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相続放棄した家・土地の管理
保存の義務があるのはどんなとき?いつ終わる?

空き家になった実家などを相続放棄しても、放棄の時にその家を実際に占有していた人は、しばらく保存の義務が残ります。2023年4月の民法改正で、義務を負う人と終わり方がはっきりしました。だれが・いつまで・どうすれば終わるかを説明します。

2026年10月に、民法の条文・法務省の資料・裁判所の案内で確かめました

要点

  • 2023年4月から、保存の義務があるのは、放棄の時にその財産を「現に占有」していた人だけ(民法940条)
  • 保存は、自分の物と同じくらいの注意で、次の相続人か相続財産清算人に引き渡すまで
  • 相続人が全員放棄したら、家庭裁判所に相続財産清算人を選んでもらい、引き渡すと義務が終わる
目次(4)
  1. 保存の義務があるとき
  2. 義務を終える方法
  3. 空き家と市区町村
  4. よくある質問

保存の義務があるとき

相続放棄をした人は、放棄の時に亡くなった人の財産を「現に占有している」ときだけ、ほかの相続人か相続財産清算人に引き渡すまで、その財産を保存しなければなりません。求められるのは「自己の財産におけるのと同一の注意」で、自分の物を扱うときと同じくらいで足ります(民法940条。2023年4月1日から)。

改正前は、放棄した人も、次の相続人が管理を始められるまで管理を続けるとされていましたが、いつ義務が生じるか・何をすればよいかがはっきりせず、重い負担を負う人がいました(法務省の資料)。「現に占有」の具体的な例は公式には示されていないので、当てはまるか迷うときは弁護士・司法書士に相談してください。

義務を終える方法

場合終え方
ほかに相続人がいる(放棄で新しく相続人になった人を含む)その相続人に引き渡す(何人かいれば1人でよいと考えられている)
相続人が全員放棄した家庭裁判所に相続財産清算人を選んでもらい、引き渡す

相続財産清算人の申立ての費用は、収入印紙800円・郵便切手・官報公告料5,582円で、財産から費用が出せないおそれがあるときは予納金(東京家庭裁判所では原則100万円)が要ります(裁判所)。くわしくは相続人がいないときへ。放棄の手続きは相続放棄の手続き、するかどうかは相続放棄するか決めるで。

空き家と市区町村

2023年12月の空家法の改正で、市区町村は、放っておくと危なくなりそうな空き家を「管理不全空家」として指導・勧告できるようになりました。勧告を受けると、固定資産税の住宅用地の特例から外れます。市区町村長は、空き家を管理するため特に必要なときは、家庭裁判所に相続財産清算人の選任などを請求できます(空家法14条)。空き家の税金は空き家の固定資産税へ。

よくある質問

実家を相続放棄しました。草刈りや修理もしないといけませんか?

放棄したときにその家を実際に占有していた(たとえば住んでいた)場合は、次の相続人などに引き渡すまで、自分の物と同じくらいの注意で保存します。この「保存」は、なくしたり壊したりしないという意味で、今の状態を保つための手入れまでは求めない考え方で条文が作られました。当てはまるか迷うときは、弁護士・司法書士に相談してください。

占有していなければ、何もしなくていいですか?

2023年4月からは、放棄の時に占有していない財産について、放棄した人が保存の義務を負うことはなくなりました。改正前は、どこまで管理しなければならないかがはっきりしませんでした。

要らない土地を国に引き取ってもらえますか?

相続土地国庫帰属制度を申請できるのは、相続などで土地の持ち主になった人です。相続放棄をすると土地を受け継がないので、この制度は使えません。土地だけ手放したいなら、相続したうえで申請する方法があります(国庫帰属の費用)。

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